2021年2月より新ブログ・サイトにて更新中。本ブログは2021年2月までの記事を掲載しています。
kokochi sun3 のラインナップの中に「Tramp」という名前の靴があります。
日本語に訳すと放浪者という意味になっていて、
ジャックケルアックあたりのビートニクカルチャーを意識して作った靴です。
ケルアックの著書「路上」は、主人公のサルがアメリカ大陸をヒッチハイクで横断するお話。
その時に履いていたとしたらかっこいいだろうなーと思って作った靴。
そんなタフな状況に耐えうる靴ならと、
ソールはとても堅牢な作りとなっています。
ソールは3層構造。
左上:アッパーに一番近い部分で、ソールの周りには細革(ピース)が巻かれ、よりボリュームのあるように見せています。
右:メインソールで、ソールの中では唯一踵から爪先まで繋がっているパーツ。
左下:地面に当たるソール。
こんな感じで合わさります。
細革を巻いた部分には、靴に力強さと無骨さを表現するために釘を打ちつけます。
履き込むと釘が錆びてきて、ヴィンテージ感が出てきます。
最初のソールをつけたところ。
まだ踵側にソールがついてません。
メインソールをつけました。
そしたらマッケイ(底縫い)をかける溝を掘ります。
メインソールが縫い終わったら、次は一番下のソールを貼ります。
画像は糊を塗ったところ。
ここまでくると随分ごついソールになってきます。
蹄鉄型のヒールを積み上げていきます。
そして完成したのがこちら。
『 kokochi sun3 / Tramp Hi 』79000yen~
踵から爪先にかけての、鮮やかな赤のソールが一際目を引きます。
ソールが3層構造だから、こんなのもできるんです。
アッパーに同色の革を絶妙にあしらい、バエランスよく出来上がりました。
こちらはホースレザーのワインをアッパーに使用しています。
同じ革ながら、パーツごとに皺の入り方が違うのにお気づきでしょうか。
この辺りもオーダー靴ならではですね。
ソールはマットキャメルといって、
革本来の色味のまま、加工をせずに靴にした後にタンニン(植物の渋)で染め上げて完成させます。
そうすることで、
経年変化によりソールは焼け、飴色に変化をしてくれます。
左:出来上がりたて
右:同じ仕様で約2年経ったソール
さらにこの靴のオーダーは凝っています。
ヒールの上から3層目、なんだか微妙に色味が違うと思いませんか?
実は3層目だけ色を塗ってあるヒールを使用しています。
何故かって?
それは、
履き込んでいって時間が経って、ヒールが濃い色になったとしても、
着色している3層目だけはそのままの色になるから。
そう、
「元のソールの色ってこんなんだったんだー」って思い返せるように。
オーナーさんとの話し合いの結果、なかなかのアイデアが生まれました。
さいごに
デザインのコンセプトは「人生を駆け抜けるための靴」。
この靴が産声をあげた当初、奔放に駆け回るサルに自信をかぶせていたんじゃないかって思うんです。
で、あれから数年経って、
今度はまた違った目線から「人生を駆け抜けるための靴」を作っていたりして。
ってのが面白いなーと感じながら作っていました。
いい靴ですよコヤツ ^^
イベントスケジュール
1月7日(土)〜1月15日(日) 『 kokochiよい靴音 vol.4 』 @ BLUE NEON
1月25日(水)〜1月29日(日) 『 路地裏の靴作家 SP(仮) 』@ 神楽坂インタレスト・東京
2月11日(土)〜2月28日(火) 『 初めまして北九州! (仮)』@ sanbi・福岡県北九州市
3月4日(土)〜3月20日(月・祝) 『 新作受注会 』@ こうべくつ家・兵庫県神戸市
3月27日(月)〜4月1日(土) 『 新作受注会 』 @ ブティックプチ・兵庫県川西市
4月29日(土)〜5月14日(日) 『 周年祭・11歳 』 @ こうべくつ家・兵庫県神戸市
5月17日(水)〜5月22日(月) 『 日本のものあわせ 』 @ 札幌大丸
*ベントは仮確定であり、日程等予告なく変更する場合があります。
こうべくつ家
所在地:神戸市須磨区須磨浦通5−5−24
お問い合わせ:mail@kutsuya-koubou.com / 078-732-7740
ウェブサイト:http://www.kutsuya-koubou.com
オンラインショップ:http://kokochi333.fashionstore.jp/
フェイスブックページ:https://www.facebook.com/kutsuya.koubou/
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