2021年2月より新ブログ・サイトにて更新中。本ブログは2021年2月までの記事を掲載しています。
5センチヒールのリリーと名付けられたサイドゴアブーツ。
クラフト感のあるレザーソールとヒールの積み上げが特徴的なブーツとなっています。
つま先がぽってりとした木型ですが、決して甘くなりすぎないよう心がけながら木型作成をしました。
アッパーは4月に新しいレザーとして登場した「セロ」という革。
オイルをたっぷりと含んだ、日本製のフルタンニン鞣しレザーです。
この革は、シャープさとソフトさをほどよく削ぎ落とした質感を持ちつつ、
だからといって、「素朴さ」一辺倒ではないところが、個人的には気に入っています。
野球で例えるなら、ホームランバッターではないけれど、
勝つために必ず必要な要素を兼ね備えている、職人的な存在・・・というかなんというか。
そんないぶし銀なレザーを使用しつつ、今回はかなり絶妙な仕様を施しました。
1.
まずはソールをマットブラックにしたこと。
こうすることで、靴全体に柔らかさを加えることができました。
黒は強い色なので、ここに艶感を足せば、硬い印象の靴になります。
2.
そしてヒールの積み上げ部分1層だけ、ダークトーンの赤を入れました。
質感を黒で施したマットで仕上げることで、全体との調和を取っていることで、やりすぎない存在感を出してみました。
3.
最後に、ゴム周りのミシンステッチと、踵タブのハンドステッチをダークグレーで統一しました。
一見、黒に見えるそれらもよく見るとグレー。
微妙に、絶妙に黒とのバランスを楽しんでいただければと施しました。
お客様の使い道やコーディネイトをお聞きし、想像しながら、
この靴の尊重すべきは「強すぎず、弱すぎない黒の革」なのだと感じました。
長く履いていくにつれ、じわじわと愛着が湧いてくるような、
控えめで、絶妙な、色や質感のコントラストを提案させていただきました。
オーナー様、長らくお待たせいたしました。
経年変化で革内のオイルが動き出すと、とても良い艶になってくれると思います。
リペアを施しながら、長く履いていただければ幸いです。
そして靴について何かあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
この度はありがとうございました!
『 kokochi sun3 / lily 』
製法:マッケイ
アッパー:セロ・ブラック
サイドゴム:ブラック
ゴム・ミシンステッチ:グレー
ハンドステッチ:グレー
ソール:マットブラック
ハーフラバーソール:ブラック
リクエスト:ヒール積み上げをマットレッドに
価格:53000円+tax(アップチャージなし)
【関連リンク】
9月展 〜マテリアルズ〜 http://kokochi-333.jugem.jp/?eid=2330
kokichi sun3 plus project 『 描 と 靴 』http://kokochi-333.jugem.jp/?eid=2331
YOU TUBE 動画 『 MUKU という靴の作り方 』 https://youtu.be/7j2289pJUbo
モデファイドラストとMUKU、その可能性について http://kokochi-333.jugem.jp/?eid=2322
期間限定レザー・KUDUとそれを使用して作られた靴たち http://kokochi-333.jugem.jp/?eid=2323
KUDUレザーを使用した、モデファイド・ラストのMUKU http://kokochi-333.jugem.jp/?eid=2320
【 kokochi sun3 イベントスケジュール 】
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9月14日〜9月23日
『 9月展 〜マテリアルズ〜 』こうべくつ家
兵庫県神戸市須磨区須磨浦通5-5-24
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11月1日〜11月5日
『 森田と山田 vol.2(仮) 』カーロアンジェロ
滋賀県彦根市河原2-2-26
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11月27日〜12月3日
『 ハンドメイド靴展 vol.4 』ギャラリー遊気Q
大阪府大阪市中央区伏見町2-2-6青山ビル1F
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12月21日〜12月29日
『 12月展 〜GOLD〜 』こうべくつ家
兵庫県神戸市須磨区須磨浦通5-5-24
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2020年
1月4日〜1月13日
『 kokochiよい靴音 vol.7 』BLUE NEON
高知県高知市南御座19-16
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1月22日〜1月26日
『 路地裏の靴作家 〜SP2020〜(仮) 』神楽坂インタレスト
東京都新宿区福路町2鈴木ビル1-A
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