July 2018  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

職人ことばの「技と粋」

「職人ことば」
この本は、直接靴に関わるそれではなくて、旋盤工、鍛冶職人、大工などの「ことばと粋」が詰め込まれています。読み進むにつれ、寡黙な職人さん達のモノをつくる意気込みや智恵、考え方を靴作りに置き換えてみれば、なるほど。「つくる」事のおもしろさや奥深さを再認識させられるのでした。

そこで、この世界で8年、見習工ではないのだけれど、職人でもない。いわば「半職」の僕に、本書の言葉をかぶしてみたらこうなった。

◎裁断場にて急ぎのアッパーを断ち、ミシン工さんの所へ。無事、その日中に靴になってホッとした後に気づいた。さっき断ったアッパーの中敷きがない。ついでに断っとけばよかったな、とまた裁断場へ。性懲りもせず『空足(からあし)』をするのです。

◎就業後、明日の段取り。アッパー、底、ボール(中底)、ヒール・・・。訳分からぬ言葉、ブツブツ言いながら数時間。これを怠ると次の日、貼り場は修羅場へと換わります。『段取り八分』とはよく言ったものです。

◎「がんばれ、おい、もっとがんばれ。」トゥー・ラスターに向かって気合い注入(笑)。いつも同じ部位に不具合が出て、上手くつり込めません。機械屋を呼び、治してもらっても、次の日にはまた同じ。そんな状況を見ながら本書の「ことば」を思い出しました。『機会は上手や。くたびれへん、汗出しよらん、涙も出さへん、(そやけど)失敗を肝に銘じよらん。』 

職人ことば、粋なことば。意味を知れば知る程わくわくしてきますし、少しずつでもそこへ近づいていきたい。そんな思いを馳せながらね。

トリッペンの履き心地

トリッペンの皺
トリッペンを購入して約一週間が経ちました。今週は外出する機会が多く、一日おきに履いていました。画像では分かりにくいですが、少しだけ履き古したカンジが出てきたかなと。特に甲の部分と、踵からくるぶしにかけて。

履き心地はやはり良いです。アッパーの革は「伸びた」というより「なじんだ」という感じです。一週間にして足に「なじんだ」のは、おそらくアッパーに裏革(ライニング)を施してないからなのでしょう。足が疲れやすい体質の僕にコイツはすぐにフィットしてくれたので、この一週間さほど疲労感もなく、快適に歩行できたのではないかと(感謝感謝)。

そんな新しき相棒。もっともっと履き込んでトゥーが反り上がって皺だらけになって、そんでもって、じいちゃんの顔みたく、目尻にシミなど出来てたり(笑)・・・。

ステキな靴と一緒に、ゆっくり歳をとっていければねぇ〜

トリッペン「SCOOTER」

トリッペン
神戸の直営店にてトリッペンの靴購入。とても丁寧な接客で、心地よい時を過ごさせて頂きました。ブラウン系のチャッカブーツを何足か試着。「SCOOTER」という画像の靴を購入。なごみ系(?)な甲から踵にかけてのライン、張り出したコバは少し太めのパンツを履いても存在感バツグンです。アッパーの質感はしっとりとしていて履いていく度に味が出そうな革ですね。
そしてなにより驚いたのが、ジャストサイズで履いた時の中底のフィット感。内側のアーチは程よくサポートされていて、長く歩いても疲れないのだろうなと思います。ワイズ(足の横幅)は広めにとられていて、指は程よく自由な状態。踵の体重がかかる部分は少しくぼんでいるので、なんだか靴に包み込まれている感じがします。店内で少し歩かせてもらいましたが、踵がしっかりホールドされていてグスグスと動かないので、靴擦れの心配もさほどなさそうです。

私の場合、左と右のの足長は7ミリ程違い、左足の方が長く明らかに肉厚です。その旨を店員さんに伝えると、従来靴に入っているインソールよりも薄いものを左足に試してみては、との提案や、アッパーが伸びて中で足が遊ぶようになってしまった時には中底とインソーールの間にフェルトを入れてみては。などなど、とても良きアドバイスを頂き、目からウロコの楽しい一時でした。

帰り道、もう我慢できなくて、買ったばかりの靴に履き替えて帰路につきました(笑)。帰宅後、靴を脱ぐと革のにおい、いいですねぇ。クリームにてケアした後、いま、私の膝の上にいます。明日から歩くのが楽しみです。

笑わない靴

足を挿入するトップラインが崩れて、足首に添っていない状態のことを「笑う」と言います。足に靴がフィットしていないものですから、靴の中で足はぐずぐずと動きます(特に踵周り)。歩行中それを回避する為に、どうしてもぎくしゃくした歩行姿勢になり、靴擦れや疲労も多く、足の変形の原因にもなりかねないので、作る方はやはり気を使って作業しなければなりません。

よく靴屋さんで、多くの人がフィッティングしたあとの靴を見ると、笑っている靴に出くわすことがあります。そういう靴は設計自体に問題がある恐れもありますので、そのデザイン自体(色違いも含め)購入を控えた方がいいです。
しかし、新品の時にはピンと張ったトップラインも何回か履くと笑ってしまうという状況に出くわすこともあります。つり込み不良や、紙型のまずさなど原因は何点かあげられるのですが、購入時、それを判断するのは困難なことだと思います。

そんな中、購入時に、お店でも感単に笑う靴かそうでない靴かを見分ける方法はあります。
まず、靴を平らな所に置きます。その時、トップリフト(ヒールの底面)が平行か、もしくはほんの少しだけ踵側に隙間があるのなら大丈夫。逆に、トップリフトのつま先方向に隙間がある場合は要注意です。試しに靴の中に手を入れ、踵部分を押し込んでみてください。トップラインが撓んでいるのがわかるとおもいます。

話は変わりますが、ある現場でこんな話があったそうです。
笑った靴を出荷しろと営業サイド。いやちょっと待てと現場サイドは必死に食い下がります。結局、押し問答の結果、悲しいかな箱詰めされ出荷されてしまいました。そこで現場のオバチャン連中「アホちゃうか、なに考えとんねんなアンタら。見てみ、靴も笑とるがな!」ですって。そもそもの原因は紙型の問題もあったようで、現場サイドはそれをフォーローする形で貼らなければならなかったのですが、なかなかうまく行かなかった。この道ン十年の貼工さんにはプライドがありますから、必死に食い下がったのですが・・・

私が見てきた限り、こういった現状は少なくないような気がします。
何とかしたいです。ホントに・・・

『足のトラブルは靴で治そう』

足のトラブル『足のトラブルは靴で治そう〜ようこそ 足と靴の外来へ!〜』

この本は僕が改めて靴選びの大切さを知るきっかけとなった本です。巻き爪、扁平足、ハイアーチ障害、外反母趾などの症状を靴により予防、改善する術が書かれていて、とても興味深く読ませてもらいました。僕自身もう20年近く、左足に疲労を感じ生活しています。大好きな靴により、こんな症状が改善されればな、そういった靴を自分で作れはしないだろうか等と、いろんな創造が日々交錯する次第です(笑)。

「からだの土台」である足と靴。
大袈裟にいえば地球と人間とを繋げる関節のような役割的存在?関節がうまいこと機能しなければ、ぎくしゃくと身体のバランスが崩れていく。
地面を踏みしめ、そして蹴る。ゆえ歩き走る。当たり前のこの動作が、単純なことであり大切なことだと思うので安易な靴選びは避けたいものですし、自分の足をもっとよく知るべきだと思いました。

靴を生業にし、気がつけば13年。僕も靴製造者のはしくれ、靴大好き人間。「よいくつ」を作れるよう献身するのだ。

読後、そんな決意を胸に・・・
<<back|<425426427428429430431>|next>>
pagetop