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再会

2006.11.25
2006年11月25日(土)
時は8年前、4年間の靴販売員を経、靴製造に移るきっかけとなったのがこの長い長いトゥーを持つ靴。僕がデザインした靴。
当時これを、どうしてもカタチにしたかった。
革を買い、自分なりに作ってもみた。でも、自分の力ではどうすることもできなかった。デザイン画や紙型、靴とはほど遠い自作のそれを持って長田の街を走り回った。「こんなん作りたいんです!」言うてみても、靴づくりのなんたるかも知らん僕は、どこへ行けども当然のごとく門前払い。苦虫をかみつぶす日々は続く。過ぎるは時間ばかり・・・。
そんなさなか、とあるメーカーさんの社長と出会う。「おもろいやんけ」と、名も知れぬ小僧に力を貸してくれた恩人。そんな人に今日、再会した。
工場に足を踏み入れるや、少し様変わりしてはいるものの、あの時のにおいは同じ。走馬灯のように流れる記憶、感慨。「まいど〜、覚えてもろてます?」と画像のそれを取り出し、しばし沈黙の後「オォー、売れないミュージシャンやんけ!」と帰って来る。何をするにしても、まず、覚えられな意味がないのやでと、社長が僕に付けたニックネームが「売れないミュージシャン」。こんなときにこれ、役に立つのですねと、今日の自身の経過報告などをしつつ、身のある話をいろいろと数時間。
僕はこの人に会うたびに思う。とにかくスケールが違う。器がとてつもなく大きく、思考はウィットに富んでいる。それは8年前と同じ。社長、デカイなぁと、ヒヨッコは更に靴への意を固めるのです。

Shoes Has Been Drinking(Not Me)

2006.11.24
2006年11月24日(金)
昨日、自宅にて行った底周りの作業を振り返りながら、ウムムと目先と角度をかえながら、夢中のシャドーボクシングの如きイマジンを超え本日も朝から塾。
その甲斐あってか、曖昧な箇所はまだまだあるものの、昨日とはまるで別人のように手先が脳とリンクしているのですからして、手先に追いつけなかった脳は「のォ〜」と驚いておりました。いやはや陳腐デスナ、コレ・・・。
進歩したるはウェルトの縫い目のピッチ、はたまたそれにおける作業時間、ダシ針の出所など、比べ物にならんくらいにスイスイと上手い具合に進んで行きますねぇ。よって正午前後、イメージすること、ホンマに大切やなぁと毛穴よりドーパミン放ちました、ハイ。
しかしながらそれもつかの間の感嘆。以前の行程にて施した中底加工の切り回し加減や、掬い縫い時のウェルトと本体の接地面のバラツキに少々、どころか、かなりな不具合。あれま、この時点になってそれが見えてくるのですねぇ、と、感心しながらも、これ、長田でとてつもなく世話になった貼工さんへ「ありがとうのくつ」の予定なのですがと・・・。
「どないしましょ」と誰に問うでもなく悔しいかな、これが今の現状。僕の出来る限りの技。朝より打って変わり、軽く落胆の午後、明日にでも経過報告しに行こうと少々ビビりながら塾終了。

バイト終了後、トムウェイツよろしく、「Shoes Has Been Drinking(Not Me)」とビールの缶で欄干などを打ち鳴らしながら、酔いどれ靴に身を任せる。くつ、左右に揺らしながら「ア○ちゃんのくつ、こんなんなってもた〜。リベンジ願いたく候」とリハーサル、夜更け前。

テキサスあたりのフリーウェイ

2006.11.23
2006年11月23日(木)
昼過ぎより作業開始、さぁ、やったるでと意気揚々。ダシ針と毛針を使い、貼付けられたウェルトと本底を一穴一穴ていねいに縫い付けていくのであるが、これ、如何せんグッドイヤー初挑戦の小生、ダシ針にて穴、なかなか開かず、やっとでた底面のそれはまさに素っ頓狂な場所にて、吹いたるは驚愕の嵐ひゅーひゅーと。更にウェルト上の糸目はピッチ定まらず「なんでやねんっ」とツッコミいれもって三段落ちが故チープなオレ・・・。縫うて行くウェルト上の糸目、坊主が猛スピードで突っ走ったとて15分にわずか5、6目。どこまで続くねんと、最果ての地まで遥か彼方。すなわちテキサスあたりのフリーウェイ・・・。と、こうべをたれながら片足すら完成せぬ事、悶々たる5時間程。明日も砂埃まき散らし、フリーウェイをひた走るのですと、夕刻よりバイト匆々。

けったいな生き物

2006年11月22日(水)
 朝から「電車遅れまして〜」と、あまりにも業務的な車内放送聞きながら、「申し訳ありません、今電車遅れてまして」と、絞り出す声あちらこちら。この人ら、あやまりながら、それやっとるけども、きっと心の中では「ハハハ、ザマーみさらせ。めんどい仕事せんでエエやん、いっそ、このままとまっとけ〜」などと思とるんやろねぇ。これまさに本音とたてまえ、いうやつですか。人などはけったいな生き物、本音だけでエエんちゃうん、なぁ・・・(笑)。
 塾、ファスナーブーツ縫い、内バネアンクル断ち、縫う。時間が余ったので、土曜日の製甲練習用に革断ち、漉きをかけて終了。明日の休日の課題は、昨日のグッドの底回りを時間の限りやると言う事で、道具箱とラストをカバンに詰める。休日前後のカバン、ホンマに重いです、言うてみても、ギターやらエフェクターやら持って走り回っとった時よりかはまだマシやんか、と自らに言い聞かせながら、夕刻よりバイト。
 帰途、レッチリにて、すぱぁくするパンタグラフ。いみなし。

スパイラル延々と

2006.11.20
2006年11月21日(火)
朝から塾、グッドイヤーの底回り作業。つり込み後、ウェルトと中底を縫い、そして本底とウェルトを縫う。これ、大変な作業です。しかしながら、その傍らにてノルベージェ、ノルウェージャンなどと、これよりもっと大変な作業やっとる人もおる訳で「アイヤ〜これ、ややこいですね、しかし」とは言えず、喉元まで出かかったそれ、タブレットと供に飲み込みつつ、凛として達観をかますのです(笑)。

僕にとってくつなどは、もはやファンタジーの至りですねぇ。底周りだけを取ってしても数多くの製法があって、またそれにアッパーの形状、ラストのカタチなどを組み合わせて・・・。すればこれ、延々とスパイラルのごとし無限。際限なく現れるイマジン、カタチにする時間足りず、ノートブックに書きためるネタ帳にて、字、汚過ぎ、これ疑いもなく脳内ファンタジー、無精に生えたヒゲ撫でながらウムウムと。

またもや寝不足の本日、なんとか終了。白目にてシガーロス、床にて。
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